目次
知っているようでよくわからない「油性塗料」と「水性塗料」
油性塗料が主流だった昔に比べ、今では塗装業者でも積極的に水性塗料を採用しています。
そんな水性塗料を外壁塗装に利用するとどうなるのでしょうか?水性ときくと、雨で溶けてしまいそうな気がしてしまいます…そんな不安を今回は、職人の知識を持って分かりやすく解説していきます。
そんな水性塗料を外壁塗装に利用するとどうなるのでしょうか?水性ときくと、雨で溶けてしまいそうな気がしてしまいます…そんな不安を今回は、職人の知識を持って分かりやすく解説していきます。
一級塗装技能士:藤原
水性塗料とは?油性塗料との違い
屋内用・外装用ともに、塗料は「水性」と「油性」の2タイプに分けることができます。
水性塗料と油性塗料の違いをまずは見ていきましょう。
水性塗料と油性塗料の違いをまずは見ていきましょう。
と、その前に油性塗料とシリコンなどの樹脂塗料は厳密にいうと別物です。
本来油性塗料とはアルキド樹脂塗料などの合成樹脂調合ペイントを指し、合成樹脂塗料とは違うものなのです。
ですがここでは分かりやすくするために「油性塗料」と呼びます。
まず塗料を構成する成分には、「顔料」「合成樹脂(ウレタン・シリコン・フッ素等)」「添加物」といった物質が使われ、この三種だけでは被塗物に塗装することができないため、「溶剤」に溶かし、塗料として生成しています。
その他粘度の調整のための希釈材(水かシンナー)があります。
その他粘度の調整のための希釈材(水かシンナー)があります。
溶剤に溶かした成分を塗って硬化・乾燥させると、着色成分である顔料と、合成樹脂成分が残り壁などを保護する塗膜が形成されます。
溶剤には、水性塗料の場合は「水」、油性塗料の場合は「シンナー(トルエンやキシレン等)」が用いられます。
つまり水性と油性の区別は、溶剤に水かシンナーのどちらが使われているのか、という事になります。
一昔前には使用できる成分が幅広く使える溶解度の高い油性塗料が良しとされていました。
しかし最近では、水性塗料の開発が進み、油性に負けず劣らずの高耐久塗料も珍しくありません。
溶剤には、水性塗料の場合は「水」、油性塗料の場合は「シンナー(トルエンやキシレン等)」が用いられます。
つまり水性と油性の区別は、溶剤に水かシンナーのどちらが使われているのか、という事になります。
一昔前には使用できる成分が幅広く使える溶解度の高い油性塗料が良しとされていました。
しかし最近では、水性塗料の開発が進み、油性に負けず劣らずの高耐久塗料も珍しくありません。
そのため現在の水性塗料の性能は、油性塗料と比べても引けを取らず、値段設定にもほぼ差はありません。
水性塗料と油性塗料の具体的なメリット・デメリットについて、比較してみます。
水性塗料
水性塗料は水をベースに構成されているため、シンナー系塗料のように有害性の高い臭気が少ないのが長所で、工事期間中の体調不良などが起きにくいことがメリットとなります。
その他環境に優しい塗料としても高く評価されています。「VOC(揮発性有機化合物)」の排出が少なく、空気を汚してしまう影響が低いとされシックハウス症候群への対策にもなります。
その他環境に優しい塗料としても高く評価されています。「VOC(揮発性有機化合物)」の排出が少なく、空気を汚してしまう影響が低いとされシックハウス症候群への対策にもなります。
またDIYにも向いています。
シンナーで構成されていないいうことは、引火や異臭発生の危険が少なく、作業や管理の利便性も高いということになります。
シンナーで構成されていないいうことは、引火や異臭発生の危険が少なく、作業や管理の利便性も高いということになります。
注意点
気温
水性塗料が硬化するにはある程度の温度が必要なため、気温が低い時期は硬化が遅くなってしまう傾向があります。
暖かく晴れている日が多い時期に施工するのが良いかとは思いますが、正しい施工ならば品質に影響することはないので必要以上に神経質になる必要はありません。
密着力
残念ながら基本的に水性塗料は鉄・アルミやステンレスといった金属部分には使用できず、プラスチックにも適しておりません。
しかし、そういった付帯部塗装では外壁のように広い面積を塗るわけではないので、臭いを気にして水性塗料を選択する必要もないでしょう。
残念ながら基本的に水性塗料は鉄・アルミやステンレスといった金属部分には使用できず、プラスチックにも適しておりません。
しかし、そういった付帯部塗装では外壁のように広い面積を塗るわけではないので、臭いを気にして水性塗料を選択する必要もないでしょう。
湿気・雨
水で希釈するのに雨や水分で流れていかないのが不思議ですが、しっかりと溶剤(水)が乾燥・蒸発し塗膜が形成されれば、雨などで濡れても流れ落ちる心配はありません。
ただし、硬化するまでは水にとても弱いという短所があるため、天気の良い日を選んで施工する必要があります。
塗りたてのタイミングで雨が降り、塗料が流されると、後始末が大変になります。
水で希釈するのに雨や水分で流れていかないのが不思議ですが、しっかりと溶剤(水)が乾燥・蒸発し塗膜が形成されれば、雨などで濡れても流れ落ちる心配はありません。
ただし、硬化するまでは水にとても弱いという短所があるため、天気の良い日を選んで施工する必要があります。
塗りたてのタイミングで雨が降り、塗料が流されると、後始末が大変になります。
しかし近年、多少の雨でも問題がない塗料というものも開発され、特に関西ペイントの【アレスダイナミックフィラー】は、雨の中でも施工できる塗料として注目されています。
油性塗料
油性塗料ではシンナーを溶剤に使用し様々な成分を溶解することで、耐久性の高い塗膜を作ることが出来ます。
水性塗料の製造技術が発達するまでは、外装の塗料には油性塗料が主流でした。
近年使用される油性塗料は「弱溶剤」と呼ばれるタイプで、顔をしかめるような臭いのものは少なくなっています。
従来の溶剤塗料よりも人体や環境への影響が少ないため、戸建塗装では基本的にこちらが使用されています。
比較的硬化が早いことや、密着性が高いため、様々な素材への塗装が可能です。
水性塗料が適さない素材への対応に重宝されますが、逆に水性塗料でなければならない素材もあるので要注意。
従来の溶剤塗料よりも人体や環境への影響が少ないため、戸建塗装では基本的にこちらが使用されています。
比較的硬化が早いことや、密着性が高いため、様々な素材への塗装が可能です。
水性塗料が適さない素材への対応に重宝されますが、逆に水性塗料でなければならない素材もあるので要注意。
注意点
油性塗料が敬遠される要因は、その臭いでしょう。
水性塗料よりも健康や環境に被害を及ぼす「VOC(揮発性有機化合物)」を排出するため、施工時には換気状況や環境に注意が必要です。
水性塗料よりも健康や環境に被害を及ぼす「VOC(揮発性有機化合物)」を排出するため、施工時には換気状況や環境に注意が必要です。
引火性物であるという性質上、保管場所や管理の仕方に十分注意しなければなりません。
木部用の塗料の中には空気と反応し、自然発火するような塗料もあります。
木部用の塗料の中には空気と反応し、自然発火するような塗料もあります。
樹脂
塗料は原則「顔料・合成樹脂・添加剤」で構成されており、塗膜の保護機能を有するのが「合成樹脂」となります。
合成樹脂は主に4種類あり、アクリル<ウレタン<シリコン<フッ素の順に耐久性が高くなります。
塗料の良し悪しを判断するときは水性・油性ではなく、樹脂の種類と含有量をチェックしましょう。
合成樹脂は主に4種類あり、アクリル<ウレタン<シリコン<フッ素の順に耐久性が高くなります。
塗料の良し悪しを判断するときは水性・油性ではなく、樹脂の種類と含有量をチェックしましょう。
一液・二液塗料
塗料の種類には主剤自体に硬化剤が配合されている「1液型」と、主剤と硬化剤を使用時に混合し使用する「2液型」があります。
「1液型」は施工の簡易性のために開発された塗料であるため、DIYに使いやすい、施工ミスが減るという利点があります。
「2液型」の塗料は正しい分量で混ぜ合わせる必要があるため、おおざっぱな人や不慣れな人には向いてないかもしれません。ちなみに秤を使わず目分量で混合する業者も多くいるので注意が必要です。
「1液型」は施工の簡易性のために開発された塗料であるため、DIYに使いやすい、施工ミスが減るという利点があります。
「2液型」の塗料は正しい分量で混ぜ合わせる必要があるため、おおざっぱな人や不慣れな人には向いてないかもしれません。ちなみに秤を使わず目分量で混合する業者も多くいるので注意が必要です。