【外壁塗装の種類】塗装のやり方は一つじゃない!抑えてほしいポイント【塗装科職業訓練指導員監修】

「外壁塗装の工法や種類が色々あって迷ってしまう」と悩んでいる人は少なくないと思います。この記事では、外壁材や塗料の種類、塗料の選び方、いろいろな塗装工法についてご紹介します。

一級塗装技能士,職業訓練指導員:藤原

外壁塗装のお悩みポイントはおおきく3つ

施主様とお付き合いしているうちにわかったことが、お悩みになるポイントは大きく3つあるということです。

それは工法、使用材料、お家の外壁材です。

塗料はそれぞれに特徴があり、価格はもちろん耐用年数や付加機能が異なるので、価格に対しての耐久性や付加機能を踏まえて塗料選択をすると良いでしょう。

塗装の工法には比較的新しい技術や、今ではほとんど使われない施工方法があります。
ローラーで塗装する工法、塗料を吹き付ける工法、パッドを用いて塗料を押し付けていく工法などがあり、それぞれの塗装工法によってかかるコスト、工事期間、仕上がりなどが変わってきます。

外壁材には大きく分けてモルタル壁とサイディング壁があり、それぞれに合わせた塗料の選択が必要になりますので、正しく見極めることが大切になってきます。
また、サイデイング壁の中でも窯業系、ガルバリウム鋼板、トタン等素材が複数種類ありますので、それらを見分けるにもある程度の知識が必要です。

おおまかにこの3種類は、最低限把握しておきたい知識となります。

外壁塗装の塗料の種類

外壁塗装の塗料の上塗り材には大まかにアクリル系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系、無機系の5つの種類があります。

現在一般的なのは耐久性があり、コストパフォーマンスが高いシリコン系の塗料です。

アクリル系塗料は価格の安い塗料ですが、耐久性はかなり低いです。
ホームセンターで販売されている塗料はこのアクリル樹脂が多く、私たちプロの間ではほとんど使用されることはありませんでした。

しかし技術の進化により、それも一昔前の話になりつつあります。
ラジカル制御型と言って、劣化を抑える塗料技術
が開発された今では、この機能を安価なアクリル塗料に付加することによって耐久性と低価格の両立が可能となりました。

無機塗料はフッ素塗料よりも優れた耐久性を誇る、現在最高峰と言ってもよい塗料ですが、比較的新しい塗料なため値段が高く、コストパフォーマンスが優れているとは言えないのが現実です。


【塗料比較表】

塗料

耐用年数

価格(㎡)

特徴

アクリル系塗料

5年~

1,000-1,200

ラジカル制御機能を持つアクリル塗料は今現在のトレンドである。

ウレタン系塗料

8-10

1,200-1800

可塑性と密着性に優れ、雨樋や金属との相性がいい。

シリコン系塗料

10-15

2,500-3,500

現在最も利用され、コストパフォーマンスが最も優れている。

フッ素系塗料

12-20

3,500-4,500

頻繁に塗り替えることを前提としない集合住宅などで高いコストパフォーマンスを発揮する。

無機塗料

15-20

5,000-5,500

現在最先端と言ってもいい塗料。
無機素材(石やガラスと同じ構成)という根本的な部分から劣化をしないことを前提とした塗料。
弾性が低いことと価格がネック。

塗料の選び方

結局どれを選べばいいの?と聞きたくなりますよね。
私の見解ではシリコン塗料を選択すれば問題はないかと思います。

しかしお家によって環境が違いますので、やはり一番は信頼できる業者にアドバイスを求めるのが一番です。
ただ業者の話を鵜呑みにしてしまえばいいというわけではありませんので、次では外壁塗装の知識を紹介します。

外壁塗装の水性塗料と油性塗料

塗料の主成分である顔料や樹脂を溶け込まして塗料にするためのものを、溶媒と呼びます。
その溶媒に使用されているものが水のものを水性、シンナー等を使用したものを油性と呼びます。(正しく言えば油性ではないのですが、一般的な呼び方としてここでは油性とします。)

結論から申し上げて、水性と油性で耐久性が変わるという事はほぼありません。
何故かインターネット上では油性塗料の方が優れているという記事がおおく見られますが、あれは塗装業者が書いた記事ではないので信憑性はありません。
おそらく橋梁塗装などの、より高耐久が求められる塗料には油性が多いのでそういった解釈が広まっているのだと思いますが、水性・油性両方のバージョンがある塗料に関して差はありません。
油性塗料の方が光沢が強いので紫外線の反射率から多少の差は生まれるかも知れませんが、その程度の差であれば臭気の少ない水性塗料をオススメします。

 

外壁塗装の一液型塗料と二液型塗料

塗料には1液型と2液型があります。

塗膜を形成するのに一つの液と空気が必要なものが一液型、主剤と硬化剤が必要な物が二液型です。

こちらもなぜか二液型塗料の方が優れているという記事が多くありますが、そんなことはありません。
上記の理由と同じで、より耐久性が求められる塗料に二液型が多いことからそのように言われているのだと思いますが、二液塗料のメリットは硬化時間が短い事と、保管性が高いことになります。

そもそも一液型塗料は二液型塗料を改良して作られたものなので、一液型だからと言って耐久性が劣ることはありません。
ただ、より耐久性が高いものに二液型塗料が多いことは事実です。

外壁塗装の艶ありと艶なし

一般的な塗り替え工事には艶あり塗料が使われます。
理由としては、艶がある塗膜であれば汚れが付きにくく、紫外線の反射率も高いためより塗料本来の性能を発揮できるという事からです。

艶消し塗料には上記の性能が低いうえに、艶を消すためのフラットベースと呼ばれる添加剤が入っています。
この添加剤は、本来塗膜を形成するのに必要がなく、塗料にとっては不純物以外の何物でもありません。
(もともと艶のないエマルションペイント等は例外です。)

「マットな仕上げ」がお好みの方は完全な艶消しでなく、三分艶・半艶など、ある程度の光沢を残した塗料を選択すると良いでしょう。

外壁塗装の下塗りの種類

下塗りの役割は下地処理、密着性の向上があります。

下塗り材はプライマー、シーラー、フィラー、サーフ、バインダーなど要素に合わせて使い分けられ、外壁塗装では主にプライマー・シーラー・フィラー・サーフが使用されます。

プライマーとシーラーは粘土が低く、素地に浸透し密着性の向上と目止め(吸い込み止め)の役割を果たします。

フィラー・サーフは粘度が高く、素地を隠蔽し新たな塗膜を形成する役割があります。
ヒビや軽微な剥がれが発生している場合に有効です。

外壁の状態によってはシーラー→サーフ→中塗り・上塗りといった工程を必要とする場合もあります。

外壁塗装の上塗りの役割

表面に見えている塗膜が上塗り材です。

上塗りの役割は、美観・防カビ性や、遮熱などの機能を持たせることにあります。
耐久性や建物の印象を左右する重要な仕上げの工程です。

一般的な塗りつぶしの塗装から、サイデイングの目地塗分け、多彩模様・石材調など、お好みの仕上がりを選択できます。

外壁塗装の工法の種類

塗装の方法には主に刷毛(はけ)塗り、ローラー塗り、吹付塗装の3種類の道具が使あります。

刷毛はローラーでは入らない細かい部分や、雨樋などの付帯部の塗装に使用されます。

ローラー塗装は広い範囲に適している事と、吹付塗装に比べ飛散が少ないことから、現在主流の塗装方法になります。

吹付塗装はコンプレッサーやエアレス塗装機といった機材に塗料を入れ、塗料を霧状にして塗装します。
多彩模様などの特殊な塗装にはエアスプレー塗装が用いられます。

外壁塗装における外壁材の種類

外壁材には主にモルタルとサイディングがあります。
ここではそれぞれの特徴と使用すべき塗料をご紹介します。

モルタル壁

少し前の日本の住宅で主流だった壁です。
左官屋さんがモルタルを塗り付け、その上にパターンを吹き付けて塗装をしてあります。

モルタル壁はヒビが入りやすいため、フィラーやサーフといった下塗り材を使用します。
また痛みが激しい場合には、マスチックローラーを使用した厚膜塗装も有効です。

サイデイング壁

現在日本で主流の外壁です。
サイデイング壁の中にも材質により種類が分けられますが、ここでは窯業系のサイディング壁を指します。

ヒビなどの注意点はモルタル壁と同じですが、絶対に気を付けなければならないポイントが透湿性です。
サイディングはモルタル壁よりも剥がれが起きやすく、その原因としては、内部からの湿気が挙げられます。

なので湿気を通す塗料を使用した塗り替えを行わないと、早々に塗膜に不具合が起きる可能性があります。
まれにモルタル用の下塗り材を使用する業者がいますので、ここは絶対に抑えておきましょう。

まとめ

外壁塗装のプランは、塗料、工法、外壁の種類などの要素から組み立てていきます。

業者の知識が確かなものであれば施主様が勉強する必要もないのですが、なかなかそうでもないのが現状です。
自分のお家を守るためにも、ぜひ知識を付けておきましょう。

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