【外壁の塗料】カチオンとは?使用することのメリットを紹介

塗料でよく聞く「カチオン」について解説していきます。

一級塗装技能士、神奈川県職業訓練指導員:藤原

カチオンとは?

 

カチオンを辞書で調べてみると
カチオンとは+(プラス)の電荷をもった「陽イオン」
その反対はアニオンで-(マイナスの電荷を持った「陰イオン」という意味になります。
なんだか理科の授業を思い出してしまいますが、それが塗装工事になんの関係があるか分かりませんよね。
端的に説明しますと、下地となるコンクリートやモルタルは、基本的にアニオン(電荷的に-を帯びています)そのため、材料にカチオン(電荷的に+を帯びた)特製を持たせるとどうなるか。
磁石のプラス(+)マイナス(-)を近づけると強力に引きつけあいます。
その力を利用して、接着力(密着性)を、増したものが、カチオン系(カチオン性)と呼ばれる塗料です。

カチオンはどこに使う?

 

弊社でカチオン系の塗料を使用する場合は下地調整の際に使用することがほとんどです。
その他ではウレタン防水等の工事前の下地調整でも使用いたします。
前述で説明したようにプラス、マイナスが引き合う力を利用して、建物への塗料の密着性を向上させることが可能です。
そうすることで補修した部分をより強固なものにできるという訳です。
カチオンペースト塗布

パターン付け

塗装

カチオンシーラー

 

この特性を利用し建物全体に塗布することもできます。
水性ミラクシーラーなどの下塗り材にカチオン特性を持たせることで、建物全体の塗膜剥離防止にも使えます。
この下塗り材が塗装面にしっかりと食いついてくれることで、上塗り材が密着力を最大限に引き出すことができるという訳です。
外壁と上塗り材の板挟みになってしまい大変そうですが、人間社会でもそういった繋ぎ役の方は重宝されますよね。

「カチオン」は材料名ではありません

カチオン、カチオンと呼ばれるせいで「カチオン」という名前の塗料があると誤解されがちですが、カチオンはあくまで性質の名前です。
また、これは職人の中でも誤解されている多いのですがドロドロしたペースト状の材料をまとめて「カチオン」と呼ばれたりもしますがこれも正しくはありません。
その塗料がカチオン性なのかを判断することは簡単です。
広く使われているこのミラクシーラーにも小さく「一液水性多機能型カチオンシーラー」と明記されています。
これは「硬化剤が無く」「水性で」「防カビ・防藻などの機能を持ち」「カチオン性」の塗料ということになります。

まとめ

見積書に『カチオン』と書かれていてもなんとなくピンと来るようにはなりましたでしょうか?
痛みが激しい部分には基本的にカチオン系の材料が使用されます。

この記事の情報を、自分のお家に適した提案をしてくれている業者なのかの判断材料にしていただけると幸いです。

 

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